IPv4 RFC 1918 ネットワーク基礎

プライベートIPアドレス範囲一覧 | ローカルIPの見分け方

ローカルIPとも呼ばれるプライベートIPアドレスの範囲は、10.0.0.0/8、172.16.0.0/12、192.168.0.0/16の3つです。家庭や社内LANで使う内部向けアドレスで、インターネットへ直接ルーティングされません。

2026年9月9日更新 IPアドレス基礎

結論:RFC 1918のプライベートIP範囲は3つだけ

IPv4で「プライベートIPアドレス」と呼ぶ範囲は、IETFのRFC 1918で定義された 10.0.0.0/8、172.16.0.0/12、192.168.0.0/16 です。

見分けるときは、先頭の数字だけで判断しないことが重要です。特に172系は 172.16から172.31まで だけがプライベートIP範囲です。

RFC 1918で定義された3つのプライベートIPアドレス範囲
プライベートIPアドレスは、10.0.0.0/8、172.16.0.0/12、192.168.0.0/16の3範囲で定義されています。

「このIPアドレスは社内LANのものか、それとも外部から見えるグローバルIPなのか」を判断したいとき、最初に確認するのがプライベートIPアドレスの範囲です。日常会話でいうローカルIPアドレスの範囲も、多くの場合はこのRFC 1918の3範囲を指します。家庭用ルーターでは192.168.x.x、企業ネットワークやVPNでは10.x.x.xや172.16.x.xがよく使われます。

ただし、プライベートIPの説明は「10、172、192で始まる」と省略されることがあり、この覚え方だけでは誤判定します。172.15.1.1はプライベートIPではありませんし、192.0.2.1も192で始まりますが、192.168.0.0/16とは別用途のアドレスです。「プライベートアドレスの範囲」を確認するときは、先頭の数字ではなくCIDRの境界まで照合してください。

172系を詳しく確認する:IPアドレス 172の範囲・用途・見分け方では、172.16.0.0/12の境界、172.15・172.32との違い、VPNや仮想ネットワークでの注意点を具体例で整理しています。

プライベートIPアドレス範囲の早見表

まずは、RFC 1918で定義されているプライベートアドレス空間を一覧で確認します。実務ではCIDR表記、開始アドレス、終了アドレス、よく使われる場面をセットで覚えると判断しやすくなります。

範囲 CIDR アドレス数 よく使われる場面
10.0.0.0 - 10.255.255.255 10.0.0.0/8 16,777,216 大規模企業、クラウドVPC、VPN、検証環境
172.16.0.0 - 172.31.255.255 172.16.0.0/12 1,048,576 中規模ネットワーク、Dockerや仮想化環境、社内LAN
192.168.0.0 - 192.168.255.255 192.168.0.0/16 65,536 家庭用ルーター、小規模オフィス、Wi-Fi LAN

プライベートIPアドレスの範囲を実例で照合

IPアドレスの範囲を確認するときは、先頭の数字だけでなく、CIDRの境界に入っているかを照合します。次の例では、同じ172系や192系でも判定が分かれます。

入力例判定理由
10.24.8.5プライベートIP10.0.0.0/8に含まれます。
172.15.10.10RFC 1918外172.16より前なので、プライベート範囲ではありません。
172.16.10.10プライベートIP172.16〜172.31の範囲に入ります。
172.32.10.10RFC 1918外172.31を超えているため、別のアドレス空間です。
192.168.1.20プライベートIP192.168.0.0/16に含まれます。
192.0.2.10RFC 1918外192で始まっても192.168系とは別用途です。

迷った場合は、IPアドレス種別判定ツールで分類を確認し、ネットワーク部とホスト部まで検算したいときはサブネット計算ツールを使います。ツールの判定結果をそのまま公開範囲の判断に使わず、ルーター、DHCP、VLAN、ファイアウォールの設定も合わせて確認してください。

ローカルIPアドレスの範囲として確認するポイント

「10・172・192で始まる」とだけ覚えると誤判定します。172系は 172.16.0.0/12(172.16〜172.31)だけ、192系は 192.168.0.0/16 だけがRFC 1918のプライベートIP範囲です。

たとえば 172.15.1.1、172.32.1.1、192.0.2.1 は、それぞれ別の範囲として扱います。実際のネットワーク部まで確かめるときはサブネット計算ツールを使ってください。

プライベートIPは複数の家庭や組織で再利用されるため、インターネット上のIP住所検索で一つの利用者や場所に結び付ける対象ではありません。IPアドレスの場所情報を確認するときの限界や、プライベートIPを検索できない理由はIPアドレスの場所・位置情報の解説で整理しています。

172系の誤判定に注意

172.16.0.0/12 は、172.16.0.0から172.31.255.255までです。172.0.0.0/8全体ではありません。つまり、172.15.10.10 や 172.32.10.10 はRFC 1918のプライベートIP範囲ではありません。

172から始まるIPアドレスの判定早見表

GSCでも「IPアドレス 172から始まる」という検索が見られますが、172系は最も誤解されやすい範囲です。第1オクテットが172でも、第2オクテットが16から31の間でなければRFC 1918のプライベートIPではありません。

例 判定 理由
172.16.0.1 プライベートIP 172.16.0.0/12の開始範囲に含まれます。
172.20.10.5 プライベートIP 第2オクテットの20が16〜31の範囲内です。
172.31.255.255 プライベートIP 172.16.0.0/12の終了アドレスです。
172.15.255.255 範囲外 172.16より前なのでRFC 1918の範囲に含まれません。
172.32.0.1 範囲外 172.31を超えているためプライベートIPではありません。

プライベートIPとグローバルIPの違い

プライベートIPは、家庭や会社などのローカルネットワーク内で機器を識別するためのアドレスです。一方、グローバルIPはインターネット上で通信相手から見えるアドレスです。多くの家庭やオフィスでは、ルーターがNATを使って複数のプライベートIPを1つのグローバルIPに変換しています。

比較項目 プライベートIP グローバルIP
使う場所 LAN、社内ネットワーク、家庭内Wi-Fi インターネット上
範囲 RFC 1918の3範囲 プライベートIPや特殊用途を除く公開用アドレス
重複利用 別々のLANなら同じアドレスを使える 原則として世界で一意に割り当てられる
確認方法 ipconfig、設定画面、ルーターの端末一覧 IP確認ツール、外部サービス、DNS問い合わせ
直接公開 インターネットへ直接公開されない 公開サーバーやルーターに割り当てられる

プライベートIPアドレスの範囲を確認したあとに「このIPの場所や住所を検索できるか」を調べる場合は、まずグローバルIPかどうかを切り分けます。10.x.x.x、172.16.0.0/12、192.168.0.0/16は公衆インターネット上で一意の住所として使われないため、IP住所検索ツールで個別の利用者所在地を返す対象ではありません。位置情報検索の仕組みと限界はIPアドレスの場所・位置情報の解説で確認できます。

10.0.0.0/8、172.16.0.0/12、192.168.0.0/16の使い分け

3つの範囲はすべてプライベートIPですが、使いやすさや設計の向き不向きが少し違います。家庭用ルーターでは192.168.0.0/16の一部がよく使われ、企業やクラウドでは10.0.0.0/8が選ばれることが多くあります。10.0.0.0/8のサブネットマスク、IP範囲、ホスト数を詳しく確認したい場合は、サブネットマスク /8の解説で計算例を整理しています。

検索意図の答え: 10.0.0.0/8 は10から始まるすべてのIPv4アドレスを含むプライベートIP範囲です。172.16.x.x はプライベートIPですが、172系全体ではなく172.16〜172.31だけです。192.168.x.x は家庭用ルーターでよく使われるプライベートIP範囲です。

10.0.0.0/8:大きなネットワーク設計に向く

10.0.0.0/8は3つのプライベートIP範囲の中で最も広く、約1677万個のアドレスを持ちます。拠点、部門、環境、VLAN、クラウドリージョンなどを大きく分けたい場合に余裕を持って設計できます。範囲の判定だけでなく設定例や接続トラブルまで確認したい場合は、10.0.0.0/8と10から始まるIPアドレスの詳しい解説も参照してください。

172.16.0.0/12:中間的だが範囲を間違えやすい

172.16.0.0/12は、10.0.0.0/8ほど広くなく、192.168.0.0/16より広い中間的な範囲です。Dockerなどの仮想ネットワークで見かけることもあります。注意点は、172.16から172.31までに限定されることです。172で始まるだけではプライベートIPとは言えません。

192.168.0.0/16:家庭用LANで最も見かける

192.168.0.0/16は、家庭用ルーターや小規模オフィスでよく使われます。192.168.0.1、192.168.1.1、192.168.10.1のようなルーター管理画面のアドレスもこの範囲に含まれます。範囲は覚えやすい一方、拠点数やネットワーク数が増えると設計余地が足りなくなることがあります。

IPアドレスクラスとの関係

古い説明では、10.0.0.0/8をクラスA、172.16.0.0/12をクラスB、192.168.0.0/16をクラスCと表現することがあります。ただし、現在のネットワーク設計ではCIDR表記を使うのが基本です。

特に172.16.0.0/12は「クラスB 16個分」のように説明されることがありますが、実際に設計・設定するときは /12 として扱います。ルーティング、ACL、クラウドのサブネット設定、VPN設定では、クラス名よりもCIDRと開始・終了範囲を確認してください。

慣用的な呼び方 現在確認すべき表記 補足
クラスAプライベート 10.0.0.0/8 大規模ネットワーク向けに使いやすい
クラスBプライベート 172.16.0.0/12 172.16から172.31までに限定
クラスCプライベート 192.168.0.0/16 家庭用LANでよく使われる

プライベートIPかどうかを判断する手順

IPアドレスを見てすぐに判断したい場合は、次の順番で確認するとミスを減らせます。暗記に頼るより、範囲境界を意識する方が安全です。

  1. 10.x.x.xか確認する:10で始まるIPv4アドレスは10.0.0.0/8に含まれます。
  2. 172.16から172.31か確認する:第2オクテットが16から31なら172.16.0.0/12に含まれます。
  3. 192.168.x.xか確認する:192.168で始まるなら192.168.0.0/16に含まれます。
  4. CGNATや特殊用途を別に確認する:100.64.0.0/10、127.0.0.0/8、169.254.0.0/16、192.0.2.0/24などはRFC 1918のプライベートIPとは別です。

入力したIPの種別をすぐ確認したい場合は、IPアドレス種別判定ツールを使うと、プライベートIP、グローバルIP、CGNAT、ループバック、リンクローカルなどをまとめて判定できます。

パブリックIP・APIPA・CGNATと混同しやすい範囲

「プライベートIPかパブリックIPか」を調べる検索では、RFC 1918以外の特殊用途アドレスも混同されがちです。特に 169.254.x.x はAPIPAと呼ばれることがありますが、RFC 1918とは別のリンクローカルアドレスです。

範囲 分類 判断のポイント
10.0.0.0/8
172.16.0.0/12
192.168.0.0/16
RFC 1918のプライベートIP 家庭内LAN、社内LAN、クラウドVPCなどで使う内部向け範囲です。
100.64.0.0/10 共有アドレス空間 CGNATなど通信事業者側のNATで使われる範囲で、RFC 1918とは別です。
169.254.0.0/16 リンクローカル / APIPA DHCPでアドレスを取得できない端末が自動設定することがあります。ルーター越しの通常通信には向きません。
127.0.0.0/8 ループバック 自分自身を指す検証用の範囲です。LAN内の端末アドレスではありません。

よくある誤解と実務上の注意点

VPNや拠点間接続で範囲が重複すると、ルーティングできません。利用目的と接続先を確認して選びます。

同じLAN内で通信が不安定になった場合は、IPアドレス重複の原因と競合端末の調べ方を確認し、固定IPとDHCP配布範囲の重なりも見直します。

プライベートIPだから安全とは限りません。VLAN、ACL、FWなども必要です。

ネットワーク境界を確認するときは、IPアドレスだけでなくサブネットマスクも見ます。サブネット計算ツールやCIDR計算ツールで検算できます。

公式仕様と関連する特殊アドレス

定義はIETFのRFC 1918、特殊用途IPv4全体はIANAのIPv4 Special-Purpose Address Registryで確認できます。100.64.0.0/10、127.0.0.0/8、169.254.0.0/16は別用途です。

FAQ

IPv4のプライベートIPアドレス範囲は、10.0.0.0/8、172.16.0.0/12、192.168.0.0/16の3つです。RFC 1918で定義されています。

いいえ。172.16.0.0から172.31.255.255までだけがRFC 1918のプライベートIP範囲です。172.15.x.xや172.32.x.xは含まれません。

いいえ。RFC 1918の範囲は192.168.0.0/16です。192.0.2.0/24のように、192で始まっても別用途の範囲があります。

10.0.0.0/8、172.16.0.0/12、192.168.0.0/16に含まれるIPv4アドレスはRFC 1918のプライベートIPです。それ以外でも特殊用途アドレスはあるため、公開用かどうかはIPアドレス種別判定ツールで確認すると安全です。

169.254.0.0/16はリンクローカルアドレスです。DHCPでIPを取得できない場合に端末が自動設定することがありますが、RFC 1918のプライベートIP範囲ではありません。

まとめ

プライベートIPアドレス範囲は、10.0.0.0/8、172.16.0.0/12、192.168.0.0/16の3つです。家庭用LANでは192.168.x.x、企業やクラウドでは10.x.x.x、仮想化や中規模ネットワークでは172.16から172.31の範囲を見かけることがあります。

判断で重要なのは、先頭の数字だけで決めないことです。172系は172.16から172.31まで、192系は192.168だけがRFC 1918の代表的なプライベートIP範囲です。迷ったらIPアドレス種別判定ツールで確認し、ネットワーク範囲はサブネット計算ツールで検算してください。